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学校・楽団取材 インタビュー 企画記事 2016.12.21

マーチングのPower Up アイテム! 同期可能な「シンクメトロノーム」を高輪台が使ってみた!

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2016年の全日本マーチングコンテストに出場した東海大学付属高輪台高校。さらに上を目指す同校に、コルグから発売されたばかりの新兵器「シンクメトロノーム」を試していただきました。果たして、その評価は…!? オザワ部長が取材してまいりました!

シンクメトロノームって何!?

11月20日に大阪城ホールで行われた全日本マーチングコンテスト。東京代表として出場した東海大学付属高輪台高校は、日本舞踊の要素を取り入れたオリジナリティあふれる演奏演技を披露。会場を大いに沸かせました。結果は銀賞だったものの、多くの観客の記憶には高輪台の姿と名前が強く刻みつけられました。

コンクールのみならず、マーチングでも全国大会常連の強豪校になりつつある東海大学付属高輪台高校。もちろん、今後目指すのはさらに上!

ということで、コルグの新型メトロノームである「シンクメトロノーム」をマーチングの練習で使っていただきました。

02_dsc00509_2↑高輪台の部員さんの耳に付いているのが噂のシンクメトロノーム。小さい!

では、「シンクメトロノーム」とはどんなものなのでしょうか?
簡単に言うと、「片耳に装着して使う超小型メトロノーム」です。通常の電子メトロノームと同じように、正確に電子音でテンポを刻んでくれます。それを耳元で聴くことができるのです。重さは約9グラムと超軽量。テンポはジョグスイッチを使ってスムーズに変えられます。もちろん、リズムは4分音符だけでなく、3連符、3連符中抜き、4連符など設定を変更できます。

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↑耳につけても邪魔にならないシンプルかつスタイリッシュな形状です。

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↑耳に装着しやすい工夫がされています。

しかし、それだけではありません。「シンク」という名前が表すとおり、なんと「同期機能」が搭載されているメトロノームなのです!

2台以上の「シンクメトロノーム」があれば、お互いを赤外線で同期することにより、複数の機器でまったく同じテンポとタイミングを共有することができます。これはすごい!
2台の「シンクメトロノーム」をつなぎ、「SYNC」ボタンを押すだけで同期は完了。しかも、同期する台数に制限なし。50台でも100台でも同期できてしまいます。

05_7e5f861d03cce2f8c10fb63baab952ed_pc↑このようにつないで「SYNC」ボタンをポチッとすれば、簡単に同期完了!

こんな小さなボディに、今までありそうでなかった機能を搭載しているのが「シンクメトロノーム」なのです。

マーチング練習の問題点を解消

この「シンクメトロノーム」の特性をもっとも活用できるシーンがマーチングでしょう。

マーチングの練習は、体育館やグラウンドなど広い場所で行われます。しかも、吹奏楽連盟主催のマーチングコンテストでは最大81名、日本マーチングバンド協会主催の大会では100名を超えるメンバーが同時に演奏演技をすることもあるため、大人数が同一のテンポで動き、奏でる必要があります。
通常の練習では、リーダーがジャムブロックなどをコンコンと叩いてテンポを刻み、それに合わせて全員が動きます。しかし、リーダーから近い人と遠い人ではコンコンが聞こえるまでの時間差が生じ、それが動きの乱れにつながっていました。また、コンコンと管楽器やバッテリー(打楽器)の音との時間差問題、場所や状況によってコンコンが聞こえにくくなるといった問題もありました。

06_dsc00497_2↑これまではマーチングリーダーがコンコンやるのが定番でした。

しかし、「シンクメトロノーム」を使えば、全員が常に正しいテンポを耳元で聴くことができるため、それらの問題点を解消できるのです。

まさに、「シンクメトロノーム」はマーチング向けのパワーアップツールといえるかもしれません。

というわけで実際に使ってもらいました

まずは、マーチングの基礎練習から「シンクメトロノーム」を東海大学付属高輪台高校の皆さんに使っていただきました。

一人ひとりが小さな「シンクメトロノーム」を受け取ると、興味津々で眺め、面白がりながら耳に装着していきました。新しいものをすぐに受け入れる柔軟性はさすが高校生です。

07_dsc00473_2↑説明書を読まなくても、すぐ使い方を理解して各自が耳に装着。

いざ、練習開始。
出だしだけリーダーがコンコンで合図を出し、その後は「シンクメトロノーム」に合わせて全員が動き始めました。
楽器の音を出さない状態での練習で顕著だったのは、コンコンがないために非常に静かだということ。もちろん、メンバーの耳元にはしっかりテンポが聞こえています。静かなおかげでリーダーや先生からの指示もよく響きます。

最初のうち、メンバーの皆さんは耳に聞こえる音や、コンコンに合わせていたときと勝手が違うことに戸惑っているようでした。しかし、10分も練習を続けるとすぐに慣れてきたのか、全体の動きが目に見えてスムーズになっていきました。

08_dsc00486_2↑リーダーもジャムブロックを叩かずにメンバーの動きをチェック。

そこで、全日本マーチングコンテストで披露した《交響曲第1番「悠久の国~日本~」より 第1楽章》(内藤友樹)のクライマックス部分を、「シンクメトロノーム」に合わせて演奏演技していただくことにしました。

果たして、うまくいくのでしょうか?

09_dsc00527_2↑81名が「シンクメトロノーム」を着けて演奏演技。むむっ、なかなかいいぞ!

オザワ部長は、実際に大阪城ホールで行われた全日本マーチングコンテストで高輪台の演奏演技を観ています。さすがに本番は集中力も気力も高まって、高揚感のある内容でした。その本番のときと比べても、「シンクメトロノーム」を装着した演奏演技はまったく遜色のないものでした。

むしろ、非常に動きがスムーズで洗練され、整っているように見えたことが驚きでした。

10_dsc00535_2↑奏者が富士山を描き出し、ドラムメジャーの扇子パフォーマンスも決まりました!

「シンクメトロノーム」を使ってみた印象は…?

練習の様子を見ていると、マーチングに「シンクメトロノーム」は非常に効果的に思えましたが、実際に使ってみたメンバーの皆さんはどんな印象を持ったのでしょうか?
マーチングリーダーと4名のサブリーダーに聞いてみました。

11_dsc00499_2↑左からマーチングリーダーの正田朱乃さん、サブリーダーの宮川佳奈子さん、藪﨑真由さん、牧さくらさん、菅谷皐介くん。

●マーチングリーダー・正田朱乃さん(3年・フルート、ピッコロ)

「いつもはみんなの前でコンコン叩いているんですけど、『シンクメトロノーム』を使えば私もみんなの中に入って一緒に練習できるなと思いました。あと、コンコンやっているとそれにとらわれて、メンバー一人ひとりをきちんとチェックするのが難しいことがありました。テンポは『シンクメトロノーム』に任せて、みんなに目配りできるのはいいなと思いました。『シンクメトロノーム』を使っているとき、みんなの足並みもラインもいつも以上に揃っていました。これを取り入れれば、高輪台のマーチングはもっとうまくなると思います!」

●サブリーダー・宮川佳奈子さん(3年・トランペット)

「いつも遠くで鳴っている(テンポをとる)音が自分の近くにあって、すごいなと思いました。安心感を持って演奏演技をすることができました。使い始めは耳に聞こえてくるピッピッという音に気を取られてしまうことがありましたが、使い続けていくと少しずつ慣れていきました。『シンクメトロノーム』はすごくいいものだなと思いました」

●サブリーダー・藪﨑真由さん(3年・ホルン)

「最初は耳に着いているのに違和感があったんですけど、だんだん気にならなくなりました。テンポをとる音は遠くにあるより近くで聞こえたほうが合わせやすいと思いました。実際に演奏しながら動くときには、一人ひとりがテンポ感を持つ必要があるので、本番に向けては『シンクメトロノーム』に頼りすぎないようにしないといけないなと思いました」

●サブリーダー・牧さくらさん(3年・トロンボーン)

「『シンクメトロノーム』を使うと、今まで以上に一人ひとりがテンポに向き合って演奏演技ができると思いました。個々のテンポや動きの正確さは上がっていました。個人練習でも使えると思います。マーチングは全体のまとまりも大切なので、一体感を失わないように気をつけながら活用するといいと思います

●サブリーダー・菅谷皐介くん(3年・サックス)

「テンポが正確に聞こえるのはとてもいいと思いました。実際に演奏をしてみると、聞こえてくる音楽と『シンクメトロノシンクメトロノーム』のテンポにずれがあって(遠くから聞こえてくる音は遅く聞こえるため)、最初は戸惑いました。でも、『シンクメトロノーム』のテンポが正しいので、それに合わせれば動きを揃えることができると思います」

短い時間でのトライアルでしたが、全員が「シンクメトロノーム」のメリットを感じ、マーチング練習での活用方法や付き合い方まで考えてくれました。改めて、高校生は新しいツールになじむのが早いと感じました。

では、指導にあたっている先生方はどう感じたのでしょうか? 東海大学付属高輪台高校吹奏楽部の顧問である畠田貴生先生と、マーチング指導で中心的な立場にいる副顧問の島川真樹先生にお話を伺いました!

12_dsc00470_2↑吹奏楽界の人気者、畠田貴生先生(右)と副顧問の島川真希先生。

畠田貴生先生
「マーチングのレベルを上げる画期的なシステム!」

「シンクメトロノーム」は画期的なシステムだと思います。今まで、テンポの基準となる音は一箇所から鳴らしていたので、どうしても音が到達するまでの時間差が生じてしまっていました。それを解消する意味ではこれ以上に素晴らしいアイテムはないのではないかと思いました。
生徒たちの練習の様子を見ていても、「こんなにきれいに動きが揃うものなのか!」とびっくりしました。中には、初めて体験する『シンクメトロノーム』に戸惑っている子もいたようですが、最初はしっくりこないメガネがやがて体の一部になるのと同じように、慣れてしまえばまったく問題なくなるでしょう。すべての道具は使いよう。上手に使ってやれば、問題がないどころか、大きなメリットが得られると思います。
これまでは『合ってない』と言われても、どう合っていないのかよく自覚できなかった生徒でも、『シンクメトロノーム』を使うと常に耳に正確なテンポが鳴っているわけですから、自分が合っていないこともはっきりわかるはずです。この『シンクメトロノーム』が普及すれば、高輪台だけでなく、全国の団体のマーチングのレベルは大きく上がると思います。

島川真希先生
「マーチングが苦手な生徒や初心者にも最適です」

マーチングの練習が非常に静かになりました(笑)。いつもはカンカン音を鳴らしているせいで枯れるほどの大声で指示を出さないといけなかったんですけど、『シンクメトロノーム』を使うとその必要がなくなりますね。テンポが耳元で鳴っているおかげで、生徒たちは遠くのカンカンを一生懸命聞こうとしたり、音の時間差の補正を考えたりする必要がなく、すごく集中力が高まっていました。
マーチングでは全員が同じテンポ感を共有することが大事なんですけど、これまでその共有ができていたかは微妙なところがあります。それを『シンクメトロノーム』でしっかり作った後、機械を外して、出来上がったテンポ感の中で音楽を作っていく、というのはすごく効果的なのではないかと思います。今までにはできなかった練習法ができるようになりそうです。特に、テンポ感をつかむのが苦手の子やマーチング初心者の練習には最適だと思います。

畠田先生、島川先生にも、『シンクメトロノーム』の実力と可能性を高く評価していただきました。ぜひマーチング練習に取り組む学校・団体の皆さんにはお試しいただきたいです。

また、通常の座奏の練習でも、騒がしい室内で個人練習をするとき、屋外で練習をするときなどには非常に便利です。市場価格もおおよそ3千円程度と価格も手ごろです。
ぜひこの新しいツールをご活用ください!

13_dsc00563_2↑改めて見ると、「シンクメトロノーム」はちっちゃい! 東海大学付属高輪台高校の皆さん、ご協力ありがとうございました。なお、左から2番目が2016年度の部長を務める「高輪台のオザワ部長」こと、小沢成実さんです。

コルグ SyncMetronome シンクメトロノーム SY-1M

【仕様】
テンポ範囲●30~252回/分
ビート設定●0~9拍子
リズム設定●4分音符、2連符、3連符、3連符中抜き、3連符後抜き、4連符、4連符中抜き、4連符後抜き
音量設定●3段階
テンポ精度●±0.1%
同期通信方法●赤外線
スピーカー●Φ12mm圧電スピーカー
スイッチ●モード/電源ボタン、シンク/ミュート・ボタン、ジョグ・スイッチ
ディスプレイ・モード●テンポ、ビート、リズム、音量、シンク
電源●CR2032型リチウム電池(3V)
電池寿命●約100時間(テンポ120、ビート4拍子、リズム4分音符、音量小で連続使用時)
外形寸法●49(W)x 22(D)22(H)mm
質量●約9 g(電池含む)
イヤホン直径●16 mm
付属品●動作確認用CR2032型リチウム電池(3V)、イヤー・パッド、キャリング・ケース

【公式サイト】
http://www.korg.com/jp/products/tuners/syncmetronome/

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