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インタビュー ニュース 企画記事 2018.05.22

【藤重先生も推薦!】フィリップ・スパークの新アルバム「スパーク&シエナ2」出る!

フィリップ・スパークといえば、日本でも押しも押されぬ人気作曲家ですよね。

 

《宇宙の音楽》、《ドラゴンの年》、《ウィークエンド・イン・ニューヨーク》など、吹奏楽コンクールの自由曲で頻繁に取り上げられており、多くの方が一度はスパークの曲を耳にしたことがあるのではないでしょうか。実際に演奏した、という方もいらっしゃると思います。

 

その魅力は、何といっても聴く者にすっと入り込んでくるキャッチーな旋律。激しく心を躍らせるメロディもあれば、ジーンと胸が熱くなる部分もあり、吹奏楽にあまり詳しくない人でもすぐ夢中になってしまう魅力を備えています。

また、日本の吹奏楽界との関わりも深く、東日本大震災の際にスパークは《陽はまた昇る》を発表して収益を日本赤十字社に寄付しました。この曲は現在でも、年間を通じて国内の多くの学校・楽団で演奏され続けています。

 

↑指揮をするフィリップ・スパーク(写真/SHOBI College of Music)

 

さて、スパークの作品をギュッと詰め込んだアルバムとしては、2014年にリリースされた『スパーク!スパーク!!スパーク!!!』があります。

 

このアルバムには《陽はまた昇る》《オリエント急行》《ウィークエンド・イン・ニューヨーク》《宇宙の音楽》といった超人気曲ばかりが収録されており、さながら「スパークベスト」の趣きがありました。しかも、演奏しているのは日本三大吹奏楽団のひとつに数えられているシエナ・ウインド・オーケストラ! また、スパーク本人が指揮しており、決定盤と言ってもいい仕上がりでした。

 

↑『スパーク!スパーク!!スパーク!!!』のジャケット。

 

そして、このたび5月16日にリリースされる待望のニューアルバムが『スパーク&シエナ2』なんです!

 

オール・スパーク作品、シエナ・ウインド・オーケストラによる演奏、指揮はスパーク本人…といった前作と同じ構成も魅力的ですが、やはり注目は収録曲です!

 

1. スピリット・オブ・アンダルシア
2. 3つのワシントンの彫像
3. ムーヴィング・ヘヴン・アンド・アース
4. ドラゴンの年 [2017年版]
5. インヴィクタス〜征服されざるもの
6. ウインド・イン・ザ・リーズ

 
最初に目につくのは、やはり《ドラゴンの年》でしょう。1984年にブラスバンド曲として作曲され、翌年にスパーク本人が吹奏楽にアレンジした人気曲。それをさらに改定した「2017年版」が全3楽章で収録されています(シエナの委嘱で、このときが初演)。

 

↑テレビなどでもおなじみ、大活躍のシエナ・ウインド・オーケストラ(写真/Hikaru.☆)

 

《ドラゴンの年》は全日本吹奏楽コンクールで3回演奏されています。が、実はこのアルバムに収録されている他の5曲は、1度も全日本吹奏楽コンクールで演奏されたことがありません。きっと、皆さんも初めて知るタイトルが多いのではないでしょうか?

 

「スパークの曲が好きだから、もっといろいろ聴いてみたい!」
「他のバンドがやっていない曲を知りたい、演奏してみたい!」

 

そんな方には特に強くオススメできるのが本アルバム『スパーク&シエナ2』なんです。

 

↑これが『スパーク&シエナ2』のジャケット!

 


 

さて、スパークといえばこの方、かつて精華女子高校吹奏楽部(福岡)を全日本吹奏楽コンクールに19回導き(うち金賞10回)、現在は活水中学校・高等学校活水女子大学で音楽監督を務めている藤重佳久先生を思い出す方もいらっしゃるでしょう。

 

カリスマ指導者として知られ、NHK「プロフェッショナル 仕事の流儀」にも取り上げられた藤重先生(オザワ部長も共著で『きばれ! 長崎ブラバンガールズ 藤重先生と活水吹部7か月の奇跡』という書籍を出版しています)は、これまでスパークの曲を積極的に採用してきました。

 

あの《宇宙の音楽》を全日本吹奏楽コンクール・高校の部で初めて演奏したのは藤重先生率いる精華でした。また、これまでに本アルバムに収録された《ドラゴンの年》と《3つのワシントンの彫像》、さらには《ウィークエンド・イン・ニューヨーク》《オリエント急行》《ジュビリー序曲》など10曲以上の演奏経験があるそうです。

最近でも、藤重先生指揮で2016年に東京・オーチャードホールで開催された「オーチャードブラス!」《ウィークエンド・イン・ニューヨーク》《宇宙の音楽》を、2017年の「オーチャードブラス!第2回」では《ダンス・ムーヴメント》を取り上げています。

 

いかに藤重先生がスパークを愛し、得意としているかがわかりますね。

 

↑いつもエネルギッシュな藤重先生!

 

そんな藤重先生にスパークの魅力についてお話を伺ってみました。すると、スパーク本人とも浅からぬ縁があるとのことでした。

 

「2010年にアメリカのミッドウェスト・クリニック(シカゴ)のファイナルコンサートに精華女子高校吹奏楽部が出演したとき、スパークに棒(指揮)を振ってもらったんです。それから、メールも何度かやり取りしたことがあります」

 

藤重先生は、作曲家スパークについてこう評します。

 

「彼は天才ですね。楽譜の中にまったく無駄な音がない。そして、ありえないような素晴らしいメロディが次々に湧き出てきます。完成度が高く、イギリスの作曲家ならではのオシャレさもあります。スパークの曲はオーケストレーションも最高ですから、吹奏楽部で演奏するときは音色を大切にするよう、また、生徒たち全員が必ずスコアを読んで曲全体を理解するよう指導していますね」

 

今回収録された中で、演奏経験のあるという《3つのワシントンの彫像》《ドラゴンの年》についてもお聞きしてみました。

 

「《3つのワシントンの彫像》は活水女子大学吹奏楽部で演奏しました。スパークはアメリカの音楽が大好きで、《ダンス・ムーヴメント》もバーンスタインをリスペクトして作ったと言われています。そんなスパークのアメリカへの思いが感じられる曲でしたね。《ドラゴンの年》は、やっぱりスパークのオシャレなアイデアにあふれた、華やかな曲だと思います」

 

そして、なんとこのインタビューの中で、注目の活水高校(2015年、藤重先生就任1年目で全日本吹奏楽コンクールに出場したことが話題になりました)の今年の自由曲がスパーク作曲《ダンス・ムーヴメント》だということも語られました!

 

「僕がスパークの曲が好きだから選びました。《ダンス・ムーヴメント》は、とにかく、演奏していて楽しい! スパークにとっても、初めて元から吹奏楽曲として書いた曲です」

 

もちろん、まだ今後自由曲が変更になる可能性もありますが、今年の活水はまたまたスパークの曲で旋風を起こしてくれそうですね。

 

 


 

というわけで、『スパーク&シエナ2』の魅力をお伝えしてきましたが、最後に本アルバム収録曲の中でオザワ部長のオススメ曲を1曲挙げさせていただきます。

 

それは、《ムーヴィング・ヘヴン・アンド・アース》

 

副題は「ガブリエル・フォーレにもとづくオリジナル主題による協奏的変奏曲」で、フォーレの《レクイエム》にインスパイアされた主題が変奏されていきます。終盤、ゆったりと奏でられる金管の感動的なメロディと、素早い木管のパッセージが徐々に高まって、やがてひとつになっていくところは鳥肌モノ!

 

『スパーク&シエナ2』、これは必聴の一枚ですよ!

 

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